(一)長時間労働・ワーカホリック・低生産性
日本の代表的なテレビ番組のディレクターが、5月の連休前にドイツに取材に行ったので、彼に「連休は休みが取れるか」とたずねたところ、番組が続いているので休みは取れないと言う。また彼が、これをドイツの同業者に話したところ驚いたと言う。ドイツでは同じ番組の取材班は2組あり、1週間おきに休みが取れるそうだ。
テレビ局に限らず、先進諸国には例がない日本の「ワーカホリック(仕事中毒)」状況は、一向に止みそうもない。これが一方で「うつ病の社員」を激増させ、他方で「労働生産性」の著しい低さを継続させている。もっとも「時短」運動の結果、2000年頃に「年間労働時間」は1800時間ほどまで短縮されたが、その後の規制緩和策による非正社員の増大に伴って「正社員の労働時間」が伸び、再び2000時間以上となっている。オランダやドイツの1.5倍近い長労働時間だ(表1)。